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◇台湾二二八事件から59年、日本は・・・

 今日、2月28日は、あの忌まわしい「二二八事件」から59年目にあたる。台北や高雄や台湾各地で追悼のデモや集会が行なわれた。
 日本が敗戦し、台湾には蒋介石の軍隊がやって来た。文明を持つ台湾人を統治することに、後からやって来た外省人は恐怖を覚えた。自分達よりも優れた人間を統治するために、彼らは殺戮、暴力、圧制で都合の悪い人間を悉く抹殺した。弾圧の対象となった多くは、台湾の知識人と未来ある青年だった。彼らは「法治」という概念を知っていたがために、後からやって来た中国人が法を無視しての暴挙を行なうことなど想像できなかった。それ故、弾圧される根拠のない台湾人は、訳も分からぬまま罪名に関係なく殺された。
 二二八事件の被害者や遺族は、そのことを口にするだけで、本人はおろか家族までが弾圧の対象となった。加えて、38年間に亘る戒厳令である。その為に、二二八の事実が解明されるのに、半世紀以上の年月が必要とされた。その遺族である阮美姝さんは、「李登輝氏の下に民主化された後でも、台湾人は後遺症に悩まされ、いまだに真実を語れない人もいる」と言う。

 台湾には日本統治時代に日本の教育を受けた「日本語族」という人々がいる。戒厳令下において日本語を話すことを禁じられたが、今でも美しい日本語を話し、日本で失われつつある「日本精神」を持ち続けている人々だ。この方達は恨みがましいことを言うのを嫌う。
 しかし、日本の教科書で台湾が中国領として表記された地図が使われていることを知った時、ある人は激昂して語った。
 「私達台湾人は、日本が戦争に負けたお陰で、台湾で日本人のかわりに中国人から苛められてきたんですよ!それを知ってか知らずか、日本は中国の顔色を伺ってペコペコして、李登輝が日本に行くにも注文つけて、李登輝さんは本当に日本贔屓で、台湾をここまで民主化した功労者ですよ!台湾は今まで一度として中国領となったことはありません!日本は弱いもの苛めのようなことばかりして、一体、日本人はいつになったら目覚めるんですか・・・!」
 そう言った後、はっとしたように口をつぐんだ。「日本精神」を持つが故に、「日本人の代わりに苛められてきた」などということを直接的に口にするのをはばかる気持ちがあるのだろう。心中は、日本に対する愛着と、怒りと、かつての日本を知る台湾人として、「日本人よ、かつての誇りを取り戻せ」と、如何ともしがたい複雑な思いが去来しているように思われた。

 こうした「日本語世代」は主に70代、80代の方々である。残念なことに、台湾の戦後世代は国民党の教育を受け、日本統治についての正しい知識を持つ人は多くはない。「尖閣列島は日本が奪った」「日本は台湾で残虐な植民地支配をした」と信じる人もいる。
 台湾野党党首は、昨年「反国家分裂法」を設立したばかりの北京に相次いで訪問しては胡錦涛主席と会談、「統一」と「反日」で協調し、意志統一をしている。昨年12月の台湾統一地方選挙では、与党民進党を押さえ、旧与党の国民党が勝利した。国民党新党首、馬英九は、米国留学中から尖閣諸島奪還の活動をしており、台北に「抗日記念館」建設を計画している人物である。国民党が政権を取ったら、台北でも中国と同様に「反日デモ」が起きかねないであろう。
 つい先頃も、県長が民進党から国民党に交替した台北県で、「高砂義勇隊慰霊碑」撤去を巡って紛糾していたが、この24日に、記念碑を存続させることで決着したものの、周囲にあった日本語の石碑は撤去された。そして李登輝前総統が揮毫された「霊安故郷」の碑文はベニヤ板で覆われるという結果となってしまった。国民党による「反日」行動が激化される予兆のようである。世界一の「親日国、台湾」は失われてしまうのだろうか。
 
 これも、日本が台湾政策を明確にしてこなかったことが原因の一つだ。台湾は日本にとって、重要な国家であるにも関わらず、断交以来、中国に気がねし、台湾に対して継子のような冷たい対応をしてきた。日本のシーレーンが通る東シナ海に位置する台湾は、国防においても、経済においても、日本の生命線といえる。もし、台湾が中国の支配下となったら、エネルギーを含め日本の経済を支える物資の入手は困難となり、日本国そのものの衰退を意味する。軍事上においても、中共軍に尖閣諸島が押さえられ、近くにある下地島の空港設備が取られたら、そこを基地として中共軍の日本本土攻撃が容易となり、極めて大きな脅威となる。「台湾有事=日本有事」なのだ。

 日本は何処へ行こうとしているのか。中国の覇権内で大人しくやり過ごそうとしているのか。果たしてやり過ごすことが出来るのか。それとも中国の脅威に対し、台湾と運命を共にするのか。
 忘れていけないことは、単なる「日中友好条約」よりも「安保同盟」の方が優先されるのである。そして、もし、台湾に何かあれば、日本は軍事的行動に出ることになる。中国が台湾東岸への奇襲攻撃を行えば、日本の防空識別圏を通過することになり、日本の航空自衛隊が迎撃することになるのだ。その現実を、政府はきちんと国民に伝えるべきだ。中国の対応に配慮して国家として備えることも主張することもできないような政府では、既に中国の作戦にはまっていることになる。

 残念ながら、有事はそう遠い未来ではないのではないか。それまでの時間をどう過ごすか、それで日本の未来も決まるだろう。日本人として、日本を愛する台湾人がいる、兄弟である台湾を裏切ってはいけない。

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