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◇「国売りたもうことなかれ」

 昨年秋、「中国の対日政治工作70年代から本格化」と題する記事が産経新聞に掲載された。

 中国が1970年ごろから日本のアジアでの影響力拡大を防ぐために、あえて日本の内政に干渉し、日本の軍国主義や帝国主義の復活を宣伝するプロパガンダ(政治宣伝)工作を本格的に開始したことが、このほど解禁された米国中央情報局(CIA)の秘密文書から21日、明らかとなった。

 CIAは中国の1948年から76年までの内政や外交を詳しく分析した国家情報評価の秘密文書約500ページを18日に解禁したが、その中には中国の日本に対する政策や工作に関する記述も含まれている。
 70年11月の「共産中国の国際姿勢」と題する文書では、「北京政府は日本の内部間題への限定的な干渉を進めることを決め、軍国主義復活という帝国主義的な日本の亡霊を掲げる集中的なプロパガンダを開始した」と述べ、この宣伝工作は「アジアの伝統的な日本へのおそれをあおり、日本の影響力を断つことも目的とする外交政策上の策略」だと断じている。
  つまり、米国としては中国の対日宣伝の非難は事実に反する「亡霊」づくりとみていたことが明らかにされている。
 文化大革命の最中にあった当時の中国共産党首脳が日本に対しそうした動きをとるようになった背景の説明として、この文書は
・日本は顕著な経済実績とアジアでの積極的役割拡大に向けた米国の支持により、北京にとりアジアで特別な存在となった
・北京は日本の潜在的な軍事力と大東亜共栄圏復活への意図に懸念を抱き、とくに69年11月の佐藤・ニクソン共同声明での沖縄返還と日米同盟強化でその懸念を高めた
・北京はこの声明が日本のアジアでの影響力拡大を奨励したとみて、日本が米国がアジアから撤退した場合に経済や軍事で中国を抑えてアジアでの主導的立場に立つことを恐れ、とくに台湾の保護者となることを阻止したいとしている-などを指摘している。(以下略)
 【ワシントン=古森義久】 産経新聞2004年10月22日

 また、こんな記事も今年6月に同じく産経新聞に掲載された。

【潮流】中国の対日戦略 伝統復活 「個人的関係」を外交利用

 中国が日本の個別の政治家をあいついで招き、靖国問題などについて日本の首相や政府の立場への反対を伝えさせる最近の対日外交攻勢は、米国政府がかつて対中交渉で「個人的関係ゲーム」と呼んだ中国側の手法に一致していることが分かった。この手法は外国の政治家のうち「中国に食い込んでいる人物」や「中国にパイプを持つ人物」を利用し、相手国の政府の政策を変えさせようとする中国共産党の伝統的な対外戦略だという。

 中国外交に詳しい米国政府関係筋は、中国政府が最近、日本の政治家を個別に招き、小泉純一郎首相の靖国神社参拝や日本政府の台湾の安全保障への声明への反対の立場を告げて、それら政治家が日本向けに中国の見解を伝えるという事態展開について、米国政府が一九八五年にまとめた「中国の政治交渉行動様式・一九六七年-一九八四年」という報告書で「個人的関係ゲーム」と特徴づけられた中国の外交手法に一致している、という見方を明らかにした。
(中略)
 報告書によれば、「個人的関係ゲーム」とは中国政府が重要な対外交渉にのぞむ場合、相手国の特定の政治家や官僚と個人的関係を築き、相手国の政策を中国側に有利に変えさせるために利用する手法を指す。報告書にはこう記されている。

 「中国共産党は、伝統的に相手国の特定の政治家や官僚を中国との個人的関係へと誘いこみ、『中国の古い友人』として種々の懇願や圧力をぶつけ、相手国の政策を中国側に有利に変えさせる手法にたけている」

 「中国と個人的関係を結んだ外国政治家は、その国では『中国に食い込んだ人物』とか『中国にパイプを持つ人物』とされており、中国側とのきずなが自国側での地位や評判の基礎となる」

 「その種の政治家は中国とのきずな保持による自分の名声を崩さないため、中国の要求を実現させようと懸命になる。中国側による親中政治家利用は人民解放軍の『誘敵深入』(敵を誘いこんで、包囲して、殲滅(せんめつ)する)戦術に似ている」
(中略)
 日本ではこのところ自民党の橋本龍太郎元首相、野田毅元自治相、山崎拓前首相補佐官、加藤紘一元幹事長らが個別に訪中、曽慶紅国家副主席ら共産党幹部と会談し、その後に多くが小泉首相の靖国参拝への中国の中止要求を事実上、日本側に伝達する発言をした。従来から中国から招かれることの多い河野洋平衆議院議長、古賀誠元自民党幹事長、公明党の冬柴鉄三幹事長らも靖国問題で中国の立場への理解や支持をみせた。

 米国政府関係筋はこうした日本の政治家の動きについて、「大多数は中国側から『中国の古い友人』とされ、日本側では『中国とのパイプ』で高く評価され、その自分の立場を守るには中国の主張を擁護するほかないだろう」と述べている。
(以下略)
 (ワシントン駐在編集特別委員 古森義久) 産経新聞2005年6月21日

 「亡霊」のごときプロパガンダにまんまと乗っかり、中国の「個人的関係」を外交利用する手法にはまってしまったのが今の日本、媚中政治家達ということなのか。

 記事にも名指しされていた外務省チャイナスクール出身の加藤紘一。
 昭和39年に外務省入省、台北大使館勤務に始まり、香港総領事館、外務省アジア局中国課課長を経て、72年に初当選、以降一時期様々な事件で議員辞職、離党を余儀なくされたが、いつの間にか復党。今や朝日系からは政府系親中(媚中)議員として随分と重宝される存在となっている。

 首相の靖国参拝問題についての、中国政府の代弁者のごとき言動の一部。 

 自民党の加藤紘一元幹事長は21日、北京で開かれた中国国際戦略学会で講演した。
 小泉首相の靖国参拝について「サンフランシスコ平和条約で明らかなように、14人のA級戦犯がすべての戦争責任を負う。78年に靖国神社が14人の位牌を合祀(ごうし)して以降は、首相が正式に参拝することは外交上正しくない」と述べ、自重すべきとの考えを示した。
 加藤氏は「首相自身は日本人の民族感情の問題だと考えているが、中国人から見ると、歴史認識と戦争責任の問題だ」と指摘。参拝は「条約を尊重するかどうかの観点から考えるべきものだ」と語った。
 朝日新聞 平成16年10月22日

 サンフランシスコ講和条約という、一国が最も守らなければならない条約を、日本が守るかどうかというテーマだ。参拝は控えた方がいい。  讀賣新聞(電子版)2005年5月21日20時14分

 この加藤紘一の発言直後、呉儀中国副首相の首脳会談のドタキャンがあったのは記憶に新しい。
 更に半月後、この発言と同様の中国高官の発言が出てきた。
 しかし、中国は「サンフランシスコ講和条約」に調印してはいない。その国からこの条約を根拠とする靖国参拝反対を持ち出してくるのは根拠がないこと。

 唐家セン国務委員(前外相)との会談冒頭、小泉純一郎首相の靖国神社参拝問題を念頭に「日中関係は不正常な状態が続いている。かなり努力しなければいけない状況が日本国内にある」と指摘。 これに対し、唐氏は胡錦濤国家主席が4月の日中首脳会談で示した「歴史の反省」など5項目の対日提案に従い、小泉首相が対中関係改善に取り組むよう求めた。  加藤氏は、王家瑞・共産党対外連絡部長との会談でも、冒頭で「日中関係は危険とさえいえる状況だ」と述べ、首相の対中外交への懸念を表明した。  平成17年6月20日 神戸新聞
   復党にあたっては小泉首相の後押しもあったと記憶するが、その「恩人」も裏切り、中国に足しげく通っては自ら率先して小泉首相の靖国参拝問題に言及し、中国の批判発言を誘うなど、中国の「臣」かのごとく振舞うのは何故か。

 国政を託すということは、自分達の生活、未来を託すことでもある。
 彼に託す未来とは何か。それはもはや日本ではなくなった「日本」である。
 そんな未来に、われわれの先人達が命を賭して護ってきた祖国を、われわれが、われわれ自身の手で変えることをしてよいものだろうか。

 否、それは断じて許されないことである。

以下、産経新聞の引用記事全文紹介

産経新聞2004年10月22日記事全文

 中国が1970年ごろから日本のアジアでの影響力拡大を防ぐために、あえて日本の内政に干渉し、日本の軍国主義や帝国主義の復活を宣伝するプロパガンダ(政治宣伝)工作を本格的に開始したことが、このほど解禁された米国中央情報局(CIA)の秘密文書から21日、明らかとなった。

 CIAは中国の1948年から76年までの内政や外交を詳しく分析した国家情報評価の秘密文書約500ページを18日に解禁したが、その中には中国の日本に対する政策や工作に関する記述も含まれている。
 70年11月の「共産中国の国際姿勢」と題する文書では、「北京政府は日本の内部間題への限定的な干渉を進めることを決め、軍国主義復活という帝国主義的な日本の亡霊を掲げる集中的なプロパガンダを開始した」と述べ、この宣伝工作は「アジアの伝統的な日本へのおそれをあおり、日本の影響力を断つことも目的とする外交政策上の策略」だと断じている。
  つまり、米国としては中国の対日宣伝の非難は事実に反する「亡霊」づくりとみていたことが明らかにされている。
 文化大革命の最中にあった当時の中国共産党首脳が日本に対しそうした動きをとるようになった背景の説明として、この文書は
・日本は顕著な経済実績とアジアでの積極的役割拡大に向けた米国の支持により、北京にとりアジアで特別な存在となった
・北京は日本の潜在的な軍事力と大東亜共栄圏復活への意図に懸念を抱き、とくに69年11月の佐藤・ニクソン共同声明での沖縄返還と日米同盟強化でその懸念を高めた
・北京はこの声明が日本のアジアでの影響力拡大を奨励したとみて、日本が米国がアジアから撤退した場合に経済や軍事で中国を抑えてアジアでの主導的立場に立つことを恐れ、とくに台湾の保護者となることを阻止したいとしている-などを指摘している。
 文書は中国の対日工作の内容については、「日本の指導者、政治、アジアでのいわゆる野心などに対する硬直的で、口汚い攻撃的なプロパガンダ」と述べる一方、中国が日本への非難を激しくするのは「日本国内での中国側の政治的資産やテコが大幅に減り、文革の過激な言動のために中国のイメージも極端に悪化したため」、プロパガンダが日本国内であまり効果をあげないからだ、と分析している。
 中国の「日本国内での政治的資産」について、CIAの別の中国評価文書は1960年代の状況として「中国への支援は日本共産党内の少数派の一部勢力や特定の過激派学生や労組の間に存在する」と述べながらも、日本共産党の親ソ連派に押されて大きな力はない、としている。中国の対日宣伝の総括的な効果について、70年の文書は「北朝鮮のほかには東南アジアの一部の人たちを印象づけたかもしれないが、日本入への影響は少なかった」と総括している。 
 【ワシントン=古森義久】 産経新聞2004年10月22日

産経新聞2005年6月21日記事全文

【潮流】中国の対日戦略 伝統復活 「個人的関係」を外交利用

 中国が日本の個別の政治家をあいついで招き、靖国問題などについて日本の首相や政府の立場への反対を伝えさせる最近の対日外交攻勢は、米国政府がかつて対中交渉で「個人的関係ゲーム」と呼んだ中国側の手法に一致していることが分かった。この手法は外国の政治家のうち「中国に食い込んでいる人物」や「中国にパイプを持つ人物」を利用し、相手国の政府の政策を変えさせようとする中国共産党の伝統的な対外戦略だという。

 中国外交に詳しい米国政府関係筋は、中国政府が最近、日本の政治家を個別に招き、小泉純一郎首相の靖国神社参拝や日本政府の台湾の安全保障への声明への反対の立場を告げて、それら政治家が日本向けに中国の見解を伝えるという事態展開について、米国政府が一九八五年にまとめた「中国の政治交渉行動様式・一九六七年-一九八四年」という報告書で「個人的関係ゲーム」と特徴づけられた中国の外交手法に一致している、という見方を明らかにした。

  報告書は中央情報局(CIA)が中心となり半官半民のランド研究所に委託して作成され、中国が六七年から七九年の米中国交樹立をはさむ十七年間に対米外交交渉で示した戦術の内容を細かに分析しており、九四年に大部分が解禁された。

 報告書によれば、「個人的関係ゲーム」とは中国政府が重要な対外交渉にのぞむ場合、相手国の特定の政治家や官僚と個人的関係を築き、相手国の政策を中国側に有利に変えさせるために利用する手法を指す。報告書にはこう記されている。

 「中国共産党は、伝統的に相手国の特定の政治家や官僚を中国との個人的関係へと誘いこみ、『中国の古い友人』として種々の懇願や圧力をぶつけ、相手国の政策を中国側に有利に変えさせる手法にたけている」

 「中国と個人的関係を結んだ外国政治家は、その国では『中国に食い込んだ人物』とか『中国にパイプを持つ人物』とされており、中国側とのきずなが自国側での地位や評判の基礎となる」

 「その種の政治家は中国とのきずな保持による自分の名声を崩さないため、中国の要求を実現させようと懸命になる。中国側による親中政治家利用は人民解放軍の『誘敵深入』(敵を誘いこんで、包囲して、殲滅(せんめつ)する)戦術に似ている」

 「その種の個人的関係結びの標的となったのはニクソン政権のキッシンジャー国務長官、カーター政権のブレジンスキー大統領補佐官、レーガン政権のリーガン財務長官、ヘイグ国務長官をはじめ、その下の多数の国務省、国防総省の高官たちだった」

 日本ではこのところ自民党の橋本龍太郎元首相、野田毅元自治相、山崎拓前首相補佐官、加藤紘一元幹事長らが個別に訪中、曽慶紅国家副主席ら共産党幹部と会談し、その後に多くが小泉首相の靖国参拝への中国の中止要求を事実上、日本側に伝達する発言をした。従来から中国から招かれることの多い河野洋平衆議院議長、古賀誠元自民党幹事長、公明党の冬柴鉄三幹事長らも靖国問題で中国の立場への理解や支持をみせた。

 米国政府関係筋はこうした日本の政治家の動きについて、「大多数は中国側から『中国の古い友人』とされ、日本側では『中国とのパイプ』で高く評価され、その自分の立場を守るには中国の主張を擁護するほかないだろう」と述べている。

 報告書では対抗策として「中国側が外国の『友人』とみなす人間にきわめて多くを期待することを明記すべきだ。『中国の古い友人』と呼ばれて追従され、自尊心をくすぐられることに最大限、注意しなければならない」と警告している。
 (ワシントン駐在編集特別委員 古森義久) 産経新聞2005年6月21日

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